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blog / Nov 02, 2022

CHROME × NOMADIK
【INTERVIEW】工藤洸平

CHROME × NOMADIK <br>【INTERVIEW】工藤洸平

CHROME × NOMADIK

【INTERVIEW】工藤洸平

スノーボード界の異端・NOMADIKとの邂逅

山から街へボーダレスなコラボバッグが誕生

これまでさまざまなジャンル、カルチャー、アーティストとコラボしてきたCHROME。自転車以外にもスケボーやサーフィンといったいわゆる“横ノリ系”カルチャーにもアプローチしてきたが、“未開”と言えるジャンルがまだ存在した──それが「スノーボード」。

そして今回のコラボで邂逅を果たしたのが、スノーボード業界の中で独自の存在感を放つ異端のインディペンデントブランド・NOMADIK。今回は〈YALTA 3.0〉をモデルに、CHROME × NOMADIKのコラボで制作したスペシャルなプロダクトについて、NOMADIKのディレクター・工藤洸平氏にインタビュー。ブランドの成り立ちからコラボの経緯などを聞いた。

〈Profile〉工藤洸平

プロスノーボーダー/NOMADIKディレクター

1990年生まれ、北海道札幌市出身。2005年の中学3年生のときに全日本選手権で優勝し、2006年にはジュニア世界選手権を制覇して世界的に注目を浴びる。ワールドカップでは幾度も表彰台に登り、2010年にはバンクーバー五輪代表に選出。その後は映像プロダクション・K FILMSを立ち上げ、プロボーダーとして映像配信などを行う。そして2016年には、アパレルブランド・NOMADIKを立ち上げ、現在は日本のみならず、アメリカにも進出している。

〈About〉NOMADIK

決められた場所・モノ・こと・ルールに縛られることなく、常にアップデートする人種を指す言葉。僕らは新たなスタイルを作り出す為にあらゆる地へ旅をする。スノーボーダーやスケーター、ミュージシャン、アーティストに至るまで、世界中でハングリーかつオリジナリティーを追求しながら活動している仲間とともに、NOMADIKを通して新たなシーンを創造している。

〈Product〉CHROME X NOMADIK YALTA 3.0

雪山から都市までカバーする防水性能や、豊富なポケット類などを備えた機能性。そしてフラップベルトやボディのサイドに落とし込まれた、NOMADIKネームがスペシャル感を高めるデザイン性。それらが融合したプロダクトは、NOMADIKのブランドポリシーの如く、「新たなスタイルを作り出す為にあらゆる地へ旅をする」ためのボーダレスな逸品に仕上がっている。



INDEX

■Vol.1 国内スノーボード界の最注目ブランド・NOMADIKとの共鳴

■Vol.2 NOMADIKの譲れないスタンスと、CHROMEの未開へのチャレンジ



〈Vol.1〉

国内スノーボード界の最注目ブランド・NOMADIKとの共鳴

「NOMADIKは今年6年目で、ここ最近になって展示会や受注会をできるようになり、卸先も少しずつ増えてきたぐらいの段階なので、まだまだここからのブランド。なのでこうやってCHROMEさんと一緒にやらせていただけるっていうのはめちゃくちゃ熱いし、うれしいです」

そう低姿勢に語る男の名は、工藤洸平。言わずと知れたバンクーバー五輪出場の“オリンピア”であり、若い頃から数々の大舞台で活躍してきた国内屈指のスノーボーダーだ。

選手として大会に参戦することから一線を引いたあとは、プロスノーボーダーとしての表現を追求し、精力的に映像作品を制作。さらに2016年には、スノーボーダーとして培ってきた感性をジャンルレスなアパレルに落とし込んだブランド・NOMADIKを立ち上げた。

NOMADIKはローンチ後、着実に支持を獲得。さらに去年はコアなスノーボーディングマガジン『FREERUN』のギアカタログでのゴールドメダル獲得や、盟友・國母和宏氏の電撃移籍などのトピックなども相まって、業界内外で一躍注目の存在となった。

NOMADIKのメンバーは現在8人。工藤氏以外のメンバーも、オリンピアや界隈で一目置かれたスノーボーダーたちが集結している。そしてNOMADIKの根底には、ブランドとして、工藤氏として、純粋にカッコいいと思えるライダーをサポートしたいという想いがある。

「スノーボードって業界的にコンペから始まって、オリンピックを経験して、やっとスポンサーについてもらえる。でも例えばアメリカでは、ストリートから出てきたプロスノーボーダーにも大きなスポンサーがつくようにもなってきています。ただ日本だと、まだまだプロスノーボーダーには予算を作らないことがほとんどで、コンペに出ている人だけを応援する昔ながらの方法が多い。自分はそういう仕組みを変えていきたいという想いがあるし、あとは純粋にカルチャーに対するバックボーンのあるカッコいいライダーをサポートしていきたいと思っています」

上記の言葉は、コンペの世界で結果を残した上で、プロスノーボーダーとしての表現に舵を取った工藤氏が語ることに意味があり、重みがある。そしてNOMADIKは、スノーボード業界のみならず他ジャンルとの交流に対しても積極的であり、それはブランド名にも通じる部分だ。

「NOMADIKは、“遊牧民”という意味。中学2年生のときにカナダのウィスラーで海外の人しかいないキャンプに参加したんですけど、初日に衝突事故で膝の靭帯をやっちゃって。そのときに言葉とか関係なく、海外のスノーボーダーのキッズが一緒に救急車で病院まで行って世話をしてくれたんですよ。そういう好きなものを通して共鳴し合える感覚はNOMADIKでも大切にしていますし、今回のCHROMEさんとのコラボにもそれに似た感覚がありました」



〈Vol.2〉

NOMADIKの譲れないスタンスと、CHROMEの未開へのチャレンジ

CHROMEとNOMADIK出会いの中で、CHROMEとして印象的だったエピソードをひとつ紹介しよう。今回のコラボにあたり、CHROME側から雪山での防水性能をふまえていくつかのモデルを提案すると、工藤氏は即決であるモデルを選択──それが〈YALTA 3.0〉だった。

「最初の段階では、スノーボーダー=スケートみたいなイメージで、CHROMEさんのスケボーをつけられるモデルもご提案いただいたのですが、いろいろ見させてもらった上で、結果的に今回はロールアップできる〈YALTA 3.0〉というモデルを使わせてもらうことになりました。というのもストリート感全開でスケーターやスノーボーダーのためにノマディックが作る、っていうのは型にハマりすぎている気がして、逆にスタイルもそこまで出ないなと。やっぱり自分の中のCHROMEのイメージは街で、スタイリッシュで、大人ぽいというイメージがあったので、それらとNOMADIKらしさをふまえて、今回はもう直感で〈YALTA 3.0〉を選びました」

両者のファーストタッチで、プロダクトのイメージの8割方は固まったという。そして今回のコラボのために映像も制作。NOMADIKがディレクションを担当し、出演には工藤氏たっての希望で、CHROMEクルー&MNSKWS代表のMARCO氏が登場している。

「元々存在は知っていて、周りの友人からも評判はいろいろ聞いていましたが、今回初めてMARCOくんとセッションすることができました。バイブスをめちゃくちゃ感じましたし、同年代で、東京でバリバリやっている人の考え方や見ているものに触れて、すごく刺激的でしたね。自分はまだまだだなと思えましたし、撮影のときもバシッと決めてくれて流石でした」

そしてNOMADIKにはコラボに関して譲れないスタンスがあり、CHROMEには未開のジャンルへのチャレンジがあった。つまり今回は、両者にとって願ってもないコラボだった。

「僕らはコラボに関して、スノーボードブランドからもオファーはいただきますが、あまりそこに魅力を感じていない気持ちが自分としてはあって。もちろんスノーボード業界だったら自分たちでプロモーションはしやすいけれど、そこに乗りたいとは思わないというか。逆にまったく違うジャンルで、それも東京で、都市で……みたいな今回のような形の見せ方ができれば、また違う層に見てもらえるチャンスになる。なので今回のコラボは自分たちにとってメリットでしかないですし、それぞれのジャンルにいい影響をもたらせると思います」